●デルファイ法とは
複数の専門家にアンケートを行い、その結果を回答者である専門家達にフィードバックした後、再度アンケートを行うことを繰り返し、組織としての意見を収束させる方法。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和2年度秋期/平成30年度春期/平成29年度秋期/平成29年度春期
デルファイ法の説明
デルファイ法とは、複数の専門家にアンケートを行い、その結果をフィードバックした後、再度アンケートを行うことを繰り返し、組織としての意見を収束する方法です。
デルファイ法はこのような手順で行います。デルファイ法では専門家同士の衝突を避けるために匿名でアンケートを取ります。 アンケートの収集と結果のフィードバックを繰り返すことで、 他の専門家の考えや意見を参考にしながらアンケートに回答出来ます。この反復によって専門家の意見が収束していきます。
デルファイ法が適している問題
不確実性が高い問題
新しい技術の普及や市場の動向等、不確実性が高い問題に対する意見を収集するためにデルファイ法が使用されます。
多くの専門家の知識が必要な問題
環境問題など、複雑な問題や多岐にわたる領域での意見を収集しなくてはいけない問題はデルファイ法が適しています。
意見の一致が必要な問題
複雑で異なる専門家間で意見の対立が起こっている問題に対する意見を一致させる場合にデルファイ法が適しています。意見が一致しなければ次の行動に移せないような問題もデルファイ法が適しています。
時間とコストが多く必要
デルファイ法は意見の収集と共有を、多くの専門家を巻き込んで行うため、時間とコストが多く必要になります。そのため、迅速に解決しなければいけない問題や緊急性が高い問題の解決には不向きです。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和2年度秋期問68、平成30年度春期問68
現在の動向から未来を予測したり、システム分析に使用したりする手法であり、専門的知識や経験を有する複数の人にアンケート調査を行い、その結果を互いに参照した上で調査を繰り返して、集団としての意見を収束させる手法はどれか。
ア 因果関係分析法 イ クロスセクション法
ウ 時系列回帰分析法 エ デルファイ法
正解は”エ”
応用情報技術者 午前試験
平成29年度秋期問74
予測手法の一つであるデルファイ法の説明はどれか。
ア 現状の指標の中に将来の動向を示す指標があることに着目して予測する。
イ 将来予測のためのモデル化した連立方程式を解いて予測する。
ウ 同時点における複数の観測データの統計比較分析によって将来を予測する。
エ 複数の専門家へのアンケートの繰返しによる回答の収束によって将来を予測する。
正解は”エ”
応用情報技術者 午前試験
平成29年度春期問69
他の技法では答えが得られにくい、未来予測のような問題に多く用いられ、(1)~(3)の手順に従って行われる予測技法はどれか。
(1):複数の専門家を回答者として選定する。
(2):質問に対する回答結果を集約してフィードバックし、再度質問を行う。
(3):回答結果を統計的に処理し、分布とともに回答結果を示す。
ア クロスセクション法 イ シナリオライティング法
ウ 親和図法 エ デルファイ法
正解は”エ”